面白い。けど、普通レベルの面白さ。
この人は実話怪談とか、本当にあった殺人者の話をまとめたりとかの方がおもしろい。というかそっちの方は決定的に面白いのに、なんで小説がこのレベルなんだろうと思った。でも地図デレは面白かった。
おそらく、平山夢明さんは、猟奇や、殺人や、食人や、解体について、愛やいつくしみはあっても嫌悪感はないんだと思う。これは人が嫌悪するんだろなっていうのがわかっていても、別に、まあそんなもんだろうって思っているっていうか、表裏一体の裏がないというか。
それは人間としての美徳なんだと思うんだけれども、(ひとの嫌がることを進んで出来るというのは美徳だ)それのせいで作品がおもしろくないなあって思う。なんかこう、肌にひりつく嫌感がないよね。