recollection’s blog

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ルポ・精神病棟/昭和44年の本だけど、まだ日本のどこかにこんな病院はあるのです、たぶん。

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ルポ・精神病棟 (朝日文庫 お 2-1)
ルポ・精神病棟 (朝日文庫 お 2-1)大熊 一夫

朝日新聞出版 1981-08
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ルポ・精神病棟 (朝日文庫 お 2-1)

昭和40年代の精神病院閉鎖病棟に侵入して、内容を体験したルポ。薬漬けや、刑務所よりもヤバイメシや、刑務所よりもひどい独房など、患者を資産としかみていないひどい病院の実態を暴いた、たぶん当時としては画期的なルポ。

最近の閉鎖病棟体験者の話を聞くと、ここまでひどいのはない、とは思うんだけれども、釜ヶ崎の実態をルポした、ルポ 最底辺―不安定就労と野宿 (ちくま新書)によると、こんな感じの病院経営はまだ続いているらしい。

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↑不潔部屋という部屋があって、そこに寝起きのできない老人が、おぶつまみれでほったらかされているらしい。トイレの水で顔を洗ったり水を飲んだり。そしてその水で用を足すというガンジス川もビックリの生活を送っている。それ以外の隔離部屋も決して清潔とは言えず。毛布はフケまみれで尿の臭いがし、便器からは常に便臭が漂ってくる。

本文中で紹介されているナチスの言葉に以下のものがある。


「遺伝病に苦しむ人々によって生じる経済的負担は、国家および社会に対して危機を醸成しております。二〇〇万人のアル中患者と約四〇〇万人の精神病患者の出費を除外しても、彼らの看護に充当するためには、全部で三億一〇〇万マルクの出費が必要であります。間もなくあらゆる国々は、その国力が国民の精神と血液の純粋さに存することを理解するであろうとわれわれは確信するしだいです。平穏な生活の唯一の保証は、血と血を区別することにあります。われわれは、みずからの生存にとってもまた他人の生存にとっても危険な精神障害者や、自分のからだを清潔にしたり、自分自身で食べることもできぬ白痴が、多大の努力と莫大な出費をひきかえに育てられ、扶養されることは、意味がないと考えます。自由な自然においては、これらの被造物は生存することができず、神の法によって殲滅されるでありましょう」

今でも、これと同じような考え方をする人間が実際多数いるだろうと思う。

そういうことを考えると絶望的な気持になるんだ。