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recollection’s blog

書籍、漫画、アニメ、評論、映画、その他コンテンツの感想、評論、あらすじ、要点纏めを書いていきます。ネタバレもあるので注意

第九軍団のワシ

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第九軍団のワシ (岩波少年文庫 579)
第九軍団のワシ (岩波少年文庫 579)Rosemary Sutcliff 猪熊 葉子

岩波書店 2007-04
売り上げランキング : 140254

おすすめ平均 star
starマーカス・アクイラ
starワシってなに?と思いながら読みました
starローマ時代のブリテン島

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登場人物

マーカス

  • 主人公
  • 軍人になって、ローマからブリテン(イギリス)に赴任してきた。百人隊長で第2軍団の司令官だヤッホー!ここで武勲をあげてローマ軍でのし上がってやんぜベイベー!と思った矢先にブリテン原住民との戦闘で負傷、軍人リタイヤ。ブリテンに住んでる叔父の家で引きこもりをしてうじうじと毎日を過ごす。闘技場で戦ってた奴隷のエスカとか、隣の家に住んでる女の子コティアとか、エスカが拾ってきた子犬のチビと過ごすうちにちょっと元気になる。元気になったら将来について悲観する。「おれ軍人以外の勉強してこなかったからほかに何もデキナイッスよ超ヤベー」あと「なんか、こう、軍人で頑張って親父の汚名を晴らそうとか思ってたんすけどそれも失敗っすトホホ」そんな感じで弱ってるときに、丁度、親父の軍隊が持ってたローマ軍の象徴であるワシが異民族の祭りに使われてるって情報が入って、「よっしゃ!いっちょオレがイッてそれ取り返してくるッスよ!チョロイッス!」って軍の偉い人に約束して、異民族の地バレンシアに突入。目医者に変装。「ワシはアレキサンドリアのデメトリウスでアール!」偶然に偶然が重なって異民族の祭りで使われている鷹を発見、深夜に強奪。捕まりそうになりながら命からがら持って帰るけど、結局、奪われてから時間がたちすぎていたんで第9軍団は再編されずオレしょぼん。また鬱屈した日々をすごすっつーか将来どうすんだべ。そしたらローマからいい知らせ。土地貰って、のんびりと暮すぜベイベ!

エスカ

  • ブリガンデスの一族の戦士、だったけど、反乱をおこして負けて剣闘士に。負けて殺されかけたところをマーカスに助けられて、マーカスの奴隷に。そのあと、ラストでローマ市民になる。
  • 北への旅にマーカスの奴隷としてではなく、友人としてついていく。八面六臂の大活躍。むしろこっちが主人公。

参謀将校プラシドス

  • イケメン。ムカつく奴。「えー、奴隷〜奴隷なんか信じられるんすか?所詮奴隷っすよ?奴隷と二人で旅とかシンジラレネーッスよ。裏切られるのがオチっすよプゲラ」っていって、マーカスを切れさせる。空気が読めない。

アクイラ叔父

  • ニート同然の主人公を世話してくれるすごいいい人。

コティア

  • ヒロイン。いまいち影がうすい。

感想

特に印象に残ったシーンが4つ

1つめ、エスカが昔の話を語るところ。

人が、語りたくない自分の過去を語るシーンって、実は挿入がすごい難しくて、どう入れてもわざとらしくなる。それを、風呂に入ってるときに、なんとなく、昔の話をちらっとして、その雰囲気ができたんだっていう感覚をにおわす、そしてその感覚に対して双方が理解して、過去の話を振る、っていう流れがすごいうまい。

2つめ、エスカが自分の文化と、マーカスの文化が決して交わらない水と油のようなものだということを、楯についている模様と、件についている模様を例にとってはなす剣。どちらか一方を理解してしまうと、もう片方のことがわからなくなるという種類のものだという話、だからブリテンは、ローマ人といつまでも戦うのだという話

3つめ、出発の命令をもらう出来事があるまでに、いろいろなものが条件を整えて、かっちりとはまりあう権。物語としてはご都合主義ってとらえからも出来るが、しかし、ここでは、それが運命だと強く信じられる。

4つめ、マーカスがエスカを奴隷から解放するシーンで、狼の話とかぶせている。その前日狼を放して自分を主と認めて帰ってくるか試していた。本当に自分を主と認めたのなら、オオカミの群れに戻らず自分のもとに帰ってくるはずだと。そして、オオカミは帰ってきた。そしてエスカを奴隷から解放する前振りになってる。そのあと、危険な旅に出るんですがそのときに「奴隷には頼めないが友人には頼める」っていうことろがまたいい。

宮崎駿が、この小説はすごいのうちの一つに選んでいたらしい。まさにそのレベルの出来だと思う。

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第九軍団のワシ (岩波少年文庫 579)